この記事はvosaic.comの記事「Why Video Is Becoming a Core Part of Childcare Professional Development」の機械翻訳を編者が編集したものです。原文の意味や意図を改変しないように細心の注意を払っておりますが、もし疑問点がございましたら、原文をご参照ください(編者:橘 肇)。
保育施設を運営する際には、他の多くの職場にはない制約が伴います。保育士を現場から離して観察しようとすると、定められた保育士対子どもの配置基準(人員配置比率)を満たせなくなってしまうのです。かといって、その間、代わりを務められるスタッフが待機していることもほとんどありません。そのため、一般的な学校環境と比べ、保育の現場ではコーチングを行うことがより困難になっています。
バフェット幼児教育研究所(Buffett Early Childhood Institute)が8つの州を対象に行った最近の分析によると、2023年に活動していた幼児教育従事者の44%が2025年までに離職しており、約9万人もの教育者が現場を去ったことになります。この研究の調査者たちは、子どもの発達の専門家たちが長年指摘してきた根本的な理由を改めて強調しています。それは、大人と子どもの間で行われるやり取り(相互作用)の質こそが、子どもの成長に最も大きな影響を与える要因であるということです。つまり、訓練を受けた保育士が一人離職するたびに、保育プログラムは「最も重要な要素」において後退してしまうのです。
こうした状況下で、保育士の専門能力開発(プロフェッショナル・ディベロップメント)の重要性は非常に高まっています。だからこそ、動画を活用した手法に関する研究が重要になるのです。そこには、肯定的な結果だけでなく、評価が分かれるような結果も含めて、あらゆるエビデンスを検討する必要があります。
現時点で得られている知見:成果は見られるものの、一貫性は限定的
査読付き学術誌『Review of Educational Research』に掲載された2022年のシステマティック・レビュー(文献レビュー)では、保育士に対する「動画を活用したコーチング」に関する既存の研究が調査されました。対象となった研究の約半数で、保育士の指導行動に肯定的な変化が見られたものの、子どもへの直接的な影響を測定した研究はごくわずかでした。レビューの執筆者たちは、「あらゆる種類の成果において、一貫したエビデンスが得られているわけではない」と明言しています。一方で、このレビューには非常に参考になる事例も含まれています。オランダの保育施設における保育者を対象とした動画コーチングの介入研究では、参加者は「事後テストにおいてすべての評価項目で対照群を上回り、追跡調査においても6つの評価項目のうち4つで対照群を上回る結果」を示しました。
動画の活用で、予算やスタッフを増やすことなくより多くの保育施設にコーチングを実施可能
ラーニング・ポリシー・インスティテュート(Learning Policy Institute)による2024年の報告書では、アラバマ州、ワシントン州、およびカリフォルニア州の3つの郡における幼児教育のコーチング・システムが調査されました。コーチングは「対面」と「オンライン(バーチャル)」の双方で効果を発揮し得ることが明らかになりました。実際、一部のシステムでは、対面での訪問を補完し、限られたコーチング予算をより有効に活用するために、意図的にオンライン・コーチングを取り入れています。これは、多くの保育施設が直面している資金や人員の制約に対する、現実的な対応策と言えます。また報告書では、コーチングを独立した取り組みとして実施するのではなく、施設がすでに導入している品質基準や評価システムと連動させた場合に、最も高い効果が得られることも示されています。
保育者自身が語る、具体的なメリットと懸念点
SRI Educationの研究者らは、現在進行中の2つの研究の一環として、就学前教育の現場で働く保育者たちに、ビデオを活用した観察(ビデオ観察)の経験についてインタビューを行いました。多くの就学前教育の現場は、終日保育を行う保育施設の中に併設されています。保育者が語った「部屋の入り口に観察者」と「部屋の隅に設置されたカメラ」の比較は、保育施設の責任者が、スタッフを保育現場から離すことなくコーチングを行う方法を検討する際に直面するジレンマそのものです。
保育者からは、対面での観察に比べて、その場で評価されるようなプレッシャーを感じにくいという声が上がりました。また、対面では見逃されてしまうような細かな点も、ビデオなら捉えられるという指摘もありました。「自分の保育を、まるで鳥の視点(俯瞰的な視点)から眺めているようだ」と語る人もいました。一方で、ビデオ撮影に対する抵抗感や、データプライバシーへの懸念を抱く保育者がいたことも、研究では率直に報告されています。こうした懸念は、ビデオ観察が組織文化として定着している施設では時間が経つにつれて和らいでいきましたが、決して軽視すべきではなく、真剣に受け止める必要があります。
外部からのコーチングだけでなく、自己省察(振り返り)にも有効
『Dialog』誌に掲載された2019年の研究では、幼児教育の保育者が、自身の保育の様子を15分間ビデオに記録し、「CLASS」という評価フレームワークを用いて自己採点を行いました。そして、その自己採点の結果と、訓練を受けたコーチによる評価が比較されました。研究の終了時には、保育者たちは一貫性を持って自己採点できるようになり、自身の保育実践も改善されていました。さらに注目すべきは、保育者自身の反応です。多くの保育者が、あらかじめ日時が決まっている対面観察とは異なり、ビデオを活用した形式では、それに伴う不安が軽減されたと語っています。この手法を用いることで、常に緊張を感じるのではなく、より落ち着いた状態で取り組めるようになるのです。また、休憩中や自宅でくつろいでいる時など、自分の好きなタイミングで視聴できる点を評価する声もありました。調査に参加した保育者たちは、互いの動画を視聴し、それについて非公式に話し合うようにもなりました。これは、研修会(ワークショップ)形式では構築が難しい、「同僚同士の学び合いのコミュニティ」を形成するものです。
保育施設がすでに導入している認可・評価システムにそのまま組み込めます
ECERS、ITERS、CLASSといった質の評価システムや認可制度の多くは、構造化された枠組みに基づく観察を前提としています。一部の州では、こうした構造化された観察が、認可の取得条件や、公的資金による就学前教育プログラムへの参加条件となっています。動画を活用することは、新たなコンプライアンス(遵守事項)を増やすことにはなりません。むしろ、すでに提出が求められている証拠資料を、より柔軟な方法で収集できるようになるのです。
離職問題の根本的な解決策ではないが、重要な要素をサポート
「動画を活用したコーチングだけで、幼児教育現場の離職危機が解決する」と主張する研究はありません。しかし、研究が一貫して示しているのは、「大人と子どもの関わりの質」や「そのスキルを伸ばす過程で、保育者がどれだけサポートされていると感じているか」が、離職の有無と深く関わっているという点です。構造化された、負担の少ないコーチング手法は、単に「離職が問題だ」と指摘するだけでなく、その知見に基づいて具体的な対策を講じるための有効な手段となります。
保育現場で、具体的にどのような形で実施できるのか
保育施設の場合、通常は丸一日の記録ではなく、短いクリップ(動画)を活用します。園長がわざわざ代わりのスタッフを手配して教室に長時間入り込み、正式な観察を行う必要はありません。その代わりに、お昼寝の時間など、園のスケジュールの中で比較的落ち着いたタイミングを使って、動画を見直すことができます。
最も効果的な活用法は、施設がすでに導入している評価の枠組み(CLASS、ECERS、ダニエルソン・フレームワークなど)の中で機能するものです。これにより、既存のプロセスとは別に新たな作業を増やすことなく、認可や質の評価システム(QRIS)の審査に必要な証拠資料を準備できるようになります。
また、AIを活用して動画内の重要な場面を自動的に抽出してくれるツールもあります。これなら、専任のコーチング担当者がいない園長であっても、膨大な未編集映像をすべて確認するような負担を負わずに済みます。スタッフ不足の現場において、コーチングを継続していく上で、こうした負担の軽減は非常に重要です。保育施設では、日々の保育の様子を記録として蓄積していくことで、それを新しいスタッフの迅速なオンボーディング(研修・導入)に役立てることができます。保育現場では、スタッフの入れ替わりが頻繁に起こることも珍しくありません。そのため、単にマニュアルを渡したり、先輩スタッフの動きをただ見学させたりするだけでなく、こうした実際の保育映像を活用することが、即戦力となる人材を育てる上で非常に有効な手段となります。
また、プライバシー保護の観点も重要です。子どものデータを扱う際は、COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)などの要件を満たすよう設計されたツールを選ぶ必要があります。顔にぼかしを入れる機能などが備わっていれば、子どものプライバシーやご家族の安心感を損なうことなく、映像をコーチングに活用することが可能です。
(文:マリア・バーンズ/Vosaic)

橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
分担翻訳:スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
著 書:スポーツパフォーマンス分析への招待(有限会社ブックハウス・エイチディ)