この記事は、vosaic.comのブログ「Introducing Teacher Coaching with FACTS Ed and Vosaic」の翻訳に、筆者のコメントを加えたものです(画像とも)。


今、学校は人材面でも予算面でも苦境にあります。教員不足、生徒の減少への対応は急務ですが、それにはコストがかかります。限られた予算はまず生徒、学生のために振り向けられるため、教師の指導実践力を伸ばすための投資は優先順位が低くならざるを得ません。教師の育成と継続的なサポートは学校や学区のリーダーにとって時間も労力もかかる作業であるため、この状況はさらに悪化しています。

実践能力の開発のために人材育成コーチをフルタイムで雇うとしたら、そのコストは数万ドルでは収まりません。この数字だけでも、教師の能力開発への取り組みを躊躇するには十分です。さらに教室で授業観察を行うとしたら、どんなに目立たないようにしていても、それは教師にも生徒にもいつもと違う緊張感をもたらします。けれども、あらゆる職種と同じく、教師にもコーチングによって専門能力を開発する機会が必要なのです。仕事の中での大事なことを身につけ、それを保持するだけでなく、何よりも生徒を伸ばすためにです。

教師の離職率と生徒の意欲

ギャラップ社(アメリカの調査会社)の調査によると、教師の自発的な離職の原因の60%は「もっと良い職業や成長の機会を求めて」というものです。同じ調査において、教師の仕事に意欲的に取り組んでいると感じている人は、わずか34%であることが明らかになっています。教師の3分の2近くが自分の仕事に意欲的に取り組んでいないというこの結果は、まさに学校のあり方に関係しています。早く離職したいと思っている教師が、生徒に良い経験や影響をもたらすことができるでしょうか。意欲を失った生徒は、学力に対して否定的になり、友達も作れず、自尊心を低下させ、両親からも期待されなくなるかもしれません。

教師の定着が生徒の成功に

生徒の学習環境を改善する確実な方法は、教師が自分の指導実践についてしっかりと自己省察し、改善することです。生徒の成長を妨げたくないと考えるなら、自分の実践を2つの視点から振り返る必要があります。1つは、生徒の習熟を促進する行動は何なのか、もう1つは、生徒の心が離れてしまう行動は何なのか、まずそれらを理解することです。どんな職業であったとしても、より良い結果こそがやりがいを維持するための源です。これが、継続的なサポートとコーチングを含む専門能力開発が教師にも必要な1つの理由です。

Vosaic国内総代理店 – 橘図書教材より

Vosaicによる自己省察とビデオコーチング

上の調査はアメリカにおけるものですから、日本とは事情が違うのかもしれません。しかし学級人数縮小と大量退職による教員不足、それに伴う採用の拡大と育成が急務になっていることは変わりません。

Vosaicはビデオによるパフォーマンス分析を活用した、授業診断、自己省察とフィードバックのためのツールです。授業中の教師の指導実践を、目的にあった診断項目を使って診断することができます。診断は授業中に第三者が行うこともできますし、もし診断者の存在が気になるなら、ビデオのみ収録して後で診断を行うこともできます。クラウド上のビデオによって診断者と教師がいつでも双方向に意見交換することができ、診断者と教師の間にあるギャップを明らかにし、埋めていくことができます。

授業診断・授業改善プログラムの提供

Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売のみならず、教員の指導実践力改善に活かすためのテクニカルサポートも提供します。また実際の診断項目や診断方法についても、授業診断・授業改善の専門家との協力によるプログラムを提供する準備を現在進めています。ぜひ、お問い合わせください。

橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
共訳書スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
連 載スポーツパフォーマンス分析への招待(月刊トレーニング・ジャーナル/有限会社ブックハウス・エイチディ)

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