この記事はVosaic.comの記事「Deliver Feedback That Will Actually Develop Teacher Skills」を元に、日本国内の事情等に合わせて編集したものです。(画像とも)。
(前編から続く)
質の高いフィードバックの4つの条件 – 続き
3. 頻繁かつタイムリーであること
同じ指導者が「必須スキル」について何度もフィードバックを行うことで、実践に有意な変化をもたらすことが研究で示されています。この指導者は時間をかけて自分の改善点を探し、そこを繰り返し指摘してくれていると認識すれば、教師は与えられたフィードバックをより効果的に実践できるでしょう。
同じスキルについて何度もフィードバックすることは、一見、煩わしいことに思えます。何度も何度も手書きでルーブリックを記録し、手作業で比較し、アドバイスを行うのは非常に難しいことでしょう。どうすれば、こうした授業観察の課題を整理し、頻繁かつタイムリーなフィードバックを行うことができるでしょうか。
その1つが、ビデオとパフォーマンス分析ソフトの活用です。例えばVosaicを使えば、研究授業のビデオをアップロードすれば、すぐにフィードバックすることができます。診断項目を盛り込んだルーブリックを作成して使用します。例えば「ダニエルソン・フレームワーク・フォー・ティーチング」をVosaicにルーブリックとして登録して使用することも可能です。
Vosaicのもう1つの特徴は、長さのあるビデオクリップにタグを付けられることです。タグ付けされた各クリップには決められた時間があり、マークされた瞬間を素早く効果的にレビューすることができます。
複数の課題が並行して進んでいる場合は、Vosaicの「プロジェクト」機能を使います。プロジェクトは「課題」と考えることができます。「プロジェクト」で整理すれば、アップロードしたビデオやフォームを特定のグループ内で共有するためのプロセスが完成します。例えば、Educatorのロールをもつユーザーは、Vosaicのデフォルトフォームに独自のルーブリックを簡単に設定できます。また、ビデオの所有者設定、分析の期限、共有、その他の設定も、「プロジェクト」にアップロードされたすべてのビデオに自動的に適用されます。Learnerのロールをもつユーザーは、ビデオをアップロードするプロジェクトを選択するだけで、自分が設定を調整する必要はありません。
4. 個人の学習目標に対応していること
数字によるフィードバックだけでは、教師が自分の指導方法を変えるには十分でないことが研究で示されています。自己反省や成長を促すためには、テキストや口頭での的確なコメントが必要です。観察したことに的確なコメントをする仕組みが、最適な成長を実現するために必要なのです!
Vosaicは、ビデオの特定の部分にコメントを残すことができます。サイドバーのフォームを使ってタグ付けし、そのモーメントで「Add Note」をクリックして、良い点や改善が必要な点、本質的なスキルに関連するフィードバックを残すことができます。
Vosaicでは、単にある瞬間や1フレームの画像にタグ付けするのではなく、長さのあるビデオクリップとしてタグ付けすることができるため、より具体的に指定できます。指導者がそのビデオクリップに関連したコメントを残したとき、指導を受ける教師は授業のどの部分を改善すべきなのか、明確に理解できるのです。
研究に基づいた効果的なフィードバックと聞くと非常に難しいテクニックのように思えますが、そのために開発された多くのツールを活用すれば、自己省察、動機づけ、ティーチングスキルの向上に大きな効果を発揮します。機能的なソフトウェアを使って、教師の成長プロセスに関わる人々の間でフィードバックを共有すれば、現在の育成システムが著しく改善できることでしょう。ぜひ、成長につながるフィードバックを取り入れてみましょう。
Vosaicについて
Vosaicの安全なクラウドベースのビデオプラットフォームは、教師、現職教師、管理者が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察、指導、自己省察を行うことができます。
Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。また、授業力向上のための授業診断プログラムもご提供しております。ぜひお問い合わせください。
橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
分担翻訳:スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
著 書:スポーツパフォーマンス分析への招待(有限会社ブックハウス・エイチディ)