フィードバックはさまざまな学習課題の達成を促進する上での、最も強力な要因の1つと考えられています。適切なフィードバックがない状況では効率的な学習は望むべくもなく、いくら意欲の高い学習者でも、最小限の改善しか成し得ないでしょう。
就業前、及び現役の教師にとっても同じです。熟練の教育者になるためには、自分が学んだ指導法を実践するだけでは十分ではありません。最適な結果を得るには、同僚と協力しながら互いの指導方法を評価し、学び合う必要があります。
ここでは、ビデオを使うことによって、フィードバックをより効果的に行う方法について紹介します。

自由に、かつ組織内で行うことのでき、かつ「より良い行動に向けて取り組む健全な機会」(参照)を生み出すフィードバックループは、教育者にとってますます必要なリソースになっています。

ケンブリッジ大学プレスが投稿した記事によると、フィードバックは以下の理由で必要なリソースとあります。

  • 常に利用可能
  • 効果的なリスニングを練習する素晴らしい方法
  • やる気を起こさせる機会
  • パフォーマンスを開発する為に不可欠
  • 学び続ける為の方法

フィードバックは、モチベーションにもプラスの効果をもたらします。人は自身の努力が認められ、前向きで認識できる方法で貢献するように求められ、開発し、より創造的になるのに役立つ方法で挑戦する事により更に勇気づけられます(参照)。

360度での方法のようなフィードバックループの人気のおかげで、教育の専門家が生徒、仲間、監督者、および自分自身からフィードバックを受け取る方法は不足はしていません。ただし、全てのフィードバックが有用であるとは限らず、効果のないフィードバックでも結果が生じる場合があります。 

厳しいフィードバックを定期的に受ける人は、ストレスの増加と全体的な士気の低下に直面する可能性があります。将来的には文化や保持の問題に深刻なリスクがあるため、機関は提供されるフィードバックの性質を認識する必要があります。そして最も重要なのは、自分の長所と限界について実際的な見識を受けていない人は、進歩したり、困難を解決したり、職業上の可能性を満たすことができない、という事です(参照)。 

適切なフィードバックを提供することがどれほど重要であるかがわかったので、フィードバックを強力にするものを検討する事が不可欠です。フィードバックのトピックと、それがどのように生産性を高められるかについては、これまで広範に研究されてきましたが、その答えは各ソースで僅かに異なります。
しかし、フィードバックを効果的にする方法には一貫性があります。それを以下にまとめました。

明瞭さ

人はフィードバックが技術的に正確であっても、そこから理解しづらいものを取得することはないでしょう。この問題は、フィードバックの提供者と受信者が2つの異なる分野または専門知識レベルに焦点を当てている場合に特によく見られます。 フィードバックは深く意味のあるものにする必要がありますが、実用的で理解しやすい用語であるべきです(参照)。

未来志向

フィードバックを提供する為「だけ」にならない事が重要です。代わりに目標または達成を念頭に置いておく必要があります。
教育者が他の人に入力を促したり自己省察に参加したりする場合、未来志向は特に必要です。それ以外の場合、フィードバックの実践は必要ありません。フィードバックプロセス中に最終目標を提供し、それを念頭に置くことにより、アドバイスは本質的により適切で建設的になります(参照)。

具体性と関連性

目標が決まったら、フィードバックはその目標に具体的でかつ関連性がなければなりません。フィードバックが曖昧であるか、眼前の目標とはあまり関係がない場合、受信者にとって有用ではありません。
フィードバックは詳細かつ実用的でなければなりません。受信者に焦点を当てる特定の領域を提供し、どこでどのように前進を改善できるかをよりよく理解するのに役立ちます(参照)。

例えば、フィードバックは単に「学生を引き付けるにはもっと良い働きをする事が出来ます」と述べるべきではありません。
「説明に十分な時間を取らなかったため、後に一部の生徒が興味を失いました。生徒が引き続きあなたをフォローしていることを確認するために、時々停止してください。」とするとより具体的で役立つコメントとなります。

タイムリー、継続的、一貫性

フィードバックは、タイムリーで一貫性のある継続的なベースで提供されたときに最も効果的であることがわかっています。適時性の側面は、情報がまだ関連している間に個人が調整を行う機会を与えるため、非常に重要です。
フィードバックが継続的で、量と質の両方で一貫していることも重要です。真に適応して開発するために、個人は定期的に標準に合ったフィードバックを受け取る必要があります(参照)。フィードバックの適時性と頻度に関しては、個人の好みによります。予想を確立するために話し合いをするのは良い考えです。

パーソナライズ

フィードバックを介して学習および開発する人を含め、誰もが異なる学習をします。フィードバックを提供する場合、受信者にアプローチを適合させ、学習と開発のスタイルに最適な経験を育成することが最善です。
フィードバックがパーソナライズされておらず、コメントが非常に一般的な場合、受信者がそのフィードバックを考慮して実装を行う可能性は低くなります。

個別化の推奨事項のひとつは「ボトムアップ」なアプローチを実装することです。まず、フィードバックの受信者に、改善すべき領域をどこで確認するかを尋ねます。教育科学研究所の記事によると、特定の懸念や弱点に対処するためにフィードバックプロセスを個別化することに関心があるフィードバックプロバイダーは、フィードバックをより有意義なものにしました。

感情的に知的

フィードバックを行う際にはポジティブとネガティブの微妙なバランスをとることが不可欠です。前述のように、フィードバックがきつすぎるとやる気と士気が低下し、極端な場合は恨みにすらなります。反対に、厳密に肯定的なフィードバックは、成長と開発の余地をあまり提供せず、ふわふわした、非人格的なものに感じることがあります。

サンドイッチメソッドなど、2つの組み合わせを要求するフィードバックの現行の形式があります。このようなテクニックが機能するかどうかについては議論がありますが、人はフィードバックをより感情的に知的にするための手段を講じる事ができます。
最も重要なのは、入力を特定の問題に関連したものにし、個人的な声明や攻撃を行わないようにすることです。フィードバックは受信者に対する判断、一般化、分析であってはなりません(参照)。

ビデオを使用してフィードバックを強化する

非常に多くの重要な側面が手元にあるので、最も意味のあるフィードバックを提供していることを確認するのは退屈で威圧的です。幸いなことに、フィードバックをより効果的に行うプロセスを作成するオプションがあります。そのようなソリューションのひとつはビデオの利用です。

ビデオを使用すると個人が教室のセッションを何度も見ることができるため、フィードバックの主観性がなくなります。これにより、教育の専門家は全ての詳細を観察し、記憶だけに頼る場合よりも具体的で関連性の高いフィードバックを提供できます。フィードバックの受信者は、フィードバックの断片を正確なモーメントに結び付けて、プロセスをより明確で信頼できるものにすることができます。

また、観察を容易にする為に忙しいスケジュールを調整するよりも、仲間や同僚とビデオを共有する方がはるかに簡単です。従ってビデオを使用する事により、教育者は一貫した継続的なフィードバックを簡単に求めることができます。
フィードバックを提供する人は、意味のある、パーソナライズされた、実行可能な提案を提供する時間をより多く持っています。

しかし、単にビデオを共有するだけでは十分ではありません。ビデオとは別のフィードバックを持つことは、そのフィードバックを消費する効率的または効果的な方法ではありません。ただし、Vosaicなどのアプリケーションを使用すると、ユーザーはすべて1つのプラットフォームからビデオの記録、アップロード、共有、コメントまでを行うことができます。 


この記事は、vosaic.comのブログ「How Educators Can Give and Receive More Meaningful Feedback」を翻訳したものです(画像とも)。

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