この記事はVosaic.comの記事「Video in Healthcare Simulation: A Cost-Effective Strategy To Collect Valuable Data」を翻訳したものです。(画像とも)。
カリフォルニア州をはじめとする9地域に39の病院と620の診療所を配置する大手医療保険団体カイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)は、シミュレーショントレーニングを効率的に行うために映像分析アプリVosaicを採用した。地域の医療機関からシミュレーショントレーニングの映像データを効率的に収集し、統一した視点で分析することで、スタッフの教育を効果的に行っているのだ。カイザー・パーマネンテのシミュレーション技術者であるネイサン・バイダル氏が質問に答えてくれた。
シミュレーショントレーニングプログラムは何の目的で、何カ所で実施されているのですか?
南カリフォルニア地域でシミュレーション医療教育を採用している15の医療機関を担当しています。その目的はさまざまです。新入社員のオリエンテーションの一環として行う施設もあれば、研修医のトレーニング、医療スキルのトレーニング、緊急医療のトレーニングのために行う施設もあります。これらのプログラムの効果的な実施と報告のために映像を収録しています。
Vosaicを採用した理由はどこにあるのでしょうか?
各々の医療機関がシミュレーショントレーニングをいつ、どのように実施しているのか把握する必要がありますが、私がそのすべてに参加することは不可能です。現場の教育担当者はみんな現役の臨床医なので、シミュレーションが終わった後に映像ファイルやデータを送ってもらう時間もありません。クラウド型のVosaicを使えば、複雑な操作を頼むこともなく、すべての映像を見ることができるのです。
シミュレーションの映像を分析する際、特に注意している点はありますか?
チーム医療ではスタッフ間のコミュニケーションが重要です。そこで、特に看護師と医師の間の行動や会話を記録するようにしています。そのための重要な機能がVosaicのフォームです。過去に指導したことが現在もきちんと行われているのか、Vosaicを使用すれば確認できるのです。例えば、次の点を重視しています。
- 指示の内容は明確だったのか?
- 指示が正しく伝わっているのか?
- 指示に対しての確認はどうだったのか?
Vosaicを使用すれば、これらのことを簡単に追跡できるのです。
Vosaicでフィードバックを受けた人たちの反応はどうですか?
今まで映像によるデブリーフィングの経験がなかった人たちは、Vosaicを気に入り、振り返りがわかりやすくなったと喜んでいます。またVosaicを地域の医療機関全体に配布したことで、シミュレーション教育以外にも新たな可能性が開かれました。例えば、このツールをトレーニングビデオの作成に活用したり、月例の会議での報告に使っていたりする例もあります。
Vosaicを他の病院やシミュレーションセンターに勧めたいと思いますか?
Vosaicの魅力はそのシンプルさです。PCとウェブカメラだけですべてを行うことができます。高価な映像システムを購入したり、専用の施設を設ける必要はありません。音響・映像設備を完備したシミュレーションラボがない施設や、各施設を移動しながらシミュレーションプログラムを実施しているような場合は、Vosaicが特に役に立つことでしょう。