3年前からイリノイ州立大学特別教育学部の助教授として、あらゆる学部と大学院の学生たちに教えています。定期で教えているコースの1つが、「障害を持つ学習者のための数学教授法」です。2016年秋学期からこのコースでVosaicを使用し始め、それ以来、すべての学期でVosaicを使用しています。
このコースの学生は、プログラムの中で初めて授業計画の作成を学習します。授業の計画と実行の課程の大部分は、テンプレート、インストラクターのサポート、省察のプロンプト、および定期的なフィードバックを使用して行われます。

授業計画と指導での経験

このコースには2つの授業計画/指導のプロジェクトがあります。1つ目は共同レッスン研究で、3〜4人の小グループで授業を計画し、その一部を仲間のグループに教えます。彼らは1回につき10分間ティーチングを行い、残りのグループは長所と改善点を観察してメモを取ります。各ティーチングセッションの間に設けられた10分の時間で、生徒たちはグループ単位での省察を行い、ティーチングを行う人それぞれの教え方を改善していきます。
このレッスンの様子は後で個別に検討を行うために録画されます。

Vosaicを使って生徒の関与を強める

Vosaicの使用を開始する前に、生徒には自分が教えているところのビデオと省察の手引きを送り、小論文を書いてもらいました。そこでわかったのは、学生はビデオを一度しか見なかったこと、省察するための証拠としてビデオを実際に使っていない事でした。
この課題を解決する為、まず最初に手引きの改訂、そして課題の前に省察に関するグループディスカッションを実施しました。ビデオの中の特定の場面を証拠として使って説明することを手引きに追加し、またグループディスカッションではEdTPA(パフォーマンスベースの教師ライセンス評価)の為に教員候補生がビデオによる省察を行う事の重要性を強調しました
この後、ビデオを証拠として効果的に使用した生徒もいましたが、大部分の生徒は未だ一般的な小論文を書き、小論文の文章を埋めるためだけに教授法でよく使われる「バズワード」を使っていました。全体的に見て、省察の内容に私は不満でしたし、生徒たちはまた小論文を書かないといけないのかと不満でした。生徒たちがコースの内容を理解していることを示し、改善に繋がるような方法で完全な省察を行う方法が必要だったのです。
そこで、Vosaicの出番となりました。

パフォーマンスの変化につながる充実した自己省察

Vosaic(及び全てのVosaic製品)は、ユーザーがビデオを活用して自らのパフォーマンスに気付き、改善することを支援するために設計されています。Vosaicを知る前はStudiocodeを5年間利用していました。ですからユーザーフレンドリーなWebベースのプラットフォーム内でStudiocodeの基本機能を備えているこのツールを見て興奮しました。
2016年秋から、学生に対して、Vosaicのプラットフォーム内で個々のビデオをくり、ビデオのシーンにタグ付けし、タグ付けしたシーンに直接コメントを追加するように指示する修正版の省察の手引き(図1参照)を与えました。この課題は前学期で行なっていた小論文での省察に代わるものでした。アイデアの構成を支援するために、手引きの各項目に一致するフォームをVosaicで作成しました(図2参照)。

図1:課題の説明に関する省察の手引き
図2:省察の手引きに対応するVosaicフォーム

新しいバージョンの課題では、より具体的になった省察と、このプロセスにもっと取り組んでみたいと感じた学生が見られました。初めて全員でVosaicを使用した後、グループ単位での報告セッションを行いましたが、プラットフォームに対する学生の意見は圧倒的に好意的でした。学生のほぼ全員が、小論文よりも価値があるという意見でした。
2016年秋から71人の学生を匿名で調査し、追加のフィードバックを得ました。コメントは次の通りです。

省察を行うするためにビデオを使用することの良い点は、他の人が見たものを見ることが出来るという事です。自分自身を見る事は不快かもしれませんが、私は自分の過ちから学び、私の指導スキルを向上させ続けることができるという事実に感謝しています。

ビデオがなければレッスンを通して長所や短所に気付くことができなかったでしょう。

ビデオと自己省察を全て1か所に集め、1ページにまとめられる所が好きです。自己省察のどの側面がビデオの特定の時間と相関するかをすぐ確認できるので、自分のやり方の理解が深まります。

コメントがすぐに出て、自分のビデオもすぐそこにあるので、小論文を書くよりも自分の教え方に対してたくさんのコメントが加わることを本当に嬉しく思います。小論文の場合、私が教えたことを省察し、思い出すのが難しい場合があります。

正確なタイミングにコメント出来る部分が気に入っています。小論文を書いている時にリソース(ビデオなど)からの情報を含める必要がある場合、重要な情報は省いてしまいます。
その瞬間にコメントできれば、更に効果的だと思います。

Vosaicには省察のプロセスをさらに強力にする新しい機能(トグルボタンの追加、インスタンスの長さの調整、複数のユーザーによる同じビデオのコーディングなど)が更に追加されました。この秋、これらの新しい機能を持ったVosaicを学期を通じて使用するつもりですが、学生がこれを使って自己省察と実践を行う前に、他の人の授業のビデオで特定の指導実践の箇所を理解する練習をさせるつもりです。

私のコースでこのツールを使用した経験は非常にポジティブなでした。Vosaicの開発者たちは、どの機能が役立っているのか、また何を解決しないといけないのかをユーザーから聞き、その情報を使用してツールを改善しています。その迅速な開発プロセスは、授業に使用するテクノロジーを選択する上で大変重要です。
教師の授業計画のプログラムには、Vosaicを使用することをお勧めします。

著者:Tara Kaczorowski, Ph.D.(イリノイ州立大学)

[ Provided by Vosaic ]