市販のパフォーマンス分析ソフトウェアにはそれぞれの長所がありますが、手前味噌ながら、特にVosaicには多人数での演習に適した機能が多いと感じています。

例えば、クラウド型なのでPCに何もインストールする必要がないこと、分析のためのフォーム(ボタン/タグ)を無制限に作れることなどがそうですが、今回は最近特に私が便利だと思っている、「タイムラインの共有」についてご紹介します。

30人のタイムラインを一覧表示

例えば、30人以上の受講者がいる授業の場合です。テニスの試合のビデオ(1ゲーム)を題材にして、共通のフォームを使ってマークアップ(データ入力)の作業を行いました。学生には自分の入力しているタイムラインだけが見えるように、講師の私には、私を含めた全員のタイムラインが表示されるように設定しました。

私の画面に表示されているタイムラインが下の画像です。通常左上に表示されているビデオウィンドウは、上にスクロールされて隠れています。4行が1人分ですので、この画面上には12人分のタイムラインが表示されています。

A選手の「ファーストサービス」と「セカンドサービス」、それぞれサーブを打った時点から、ポイントが決まる時点までをマークアップするように指示したのですが、ファーストサービスとセカンドサービスの数が異なっていたり、モーメント(タイムライン上の四角い印)の長さや位置がまちまちだったりするのが一目瞭然です。

このタイムラインから、どんなことが考えられるでしょうか?

評価者間での基準の統一の必要性

テニスはスポーツの経験の少ない学生でも比較的知っている可能性が高く、またワンプレーの切れ目が短いという理由で、私はこうした演習の題材によく使います。それでも「ファーストサービス」と「セカンドサービス」の分類や、ボタンのON、OFFのタイミングなどについて、作業前にもう少し丁寧に説明しておくべきではなかったか、という反省が出てきました。

あるいは単純な「入力の誤り」であるならば、どうすればそれを防げるのか?ということも考えられます。

一方で、そうしたポイントは、複数の評価者で分析や研究を行う際には必ず統一、共有しておくべきものです。それを教える上のいい材料として、私はこのタイムラインを全員に見せています。
もちろん、評価者間の一致度を見るような研究においても、この機能は有効に使うことができると思います。

講義・演習授業の様子については、橘図書教材のサイトもぜひご覧ください。

(橘 肇/Vosaic国内総代理店・橘図書教材)

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