この記事は、vosaic.comのブログ「How to Upscale Hybrid Learning」を翻訳したものです(画像とも)。
教師は今、無意識のうちに全く新しい学習方法への対応を迫られました。COVID-19の流行以来、教室は対面授業とバーチャル学習を同時に行う空間へと変わりました。Zoomと対面学習の両立は世界中の教育者にとって喫緊の課題です。最も苦労しているのが、幼稚園から高校の教師です。2つの全く異なる学習形態を同時に教えるのは、たいへんな苦労です。
多くの場合、小学校では対面学習を基本に、一部の児童がZoomで参加しています。一方、多くの高校では対面とオンラインを一週ごとに交替しています。このテーマについて調査してみると、より意図的にハイブリッド学習を行うために教師がとっている方法がありました。
ハイブリッド学習の改善のための重要な要素です。
- 生徒の注意の喚起
- 様々なプラットフォームの活用
- インターネット上でのコミュニケーション
- 注意散漫の削減
生徒の関与
現在のパンデミック下、ハイブリッド学習の最大の課題は、生徒の注意をいかに維持するかということです。ちょっと、高校生の立場になってみませんか。私が高校生だった頃は、対面授業の間、なんとか目を開いているのがやっとでした!心地よい自宅にいながら、先生の講義を一日中聞くことを想像してみてください。そして予習したことをすべて覚えた上で、次の日に教室に来ないといけないのです。ほとんどの高校生にとって、そんなことは非現実的です。同じように、小学校では学校でラップトップコンピュータを用意して、zoomでの参加を選んだ児童を参加させています。これが幼稚園から小学校においての、注意散漫の最も大きな原因です。
小学校3年生の時に注意力に問題があった生徒は高校を退学する割合が8倍になるという調査結果によって、この問題がクローズアップされています。この数字は小学校の教師にとって衝撃的です。生徒の注意力を保つことは最優先課題であり、それはハイブリッド学習でも同じです。
生徒の注意力を保つ1つの方策として、学校生活の総合的なチェックが提案されています。これは教師は生徒の知識を知り、生徒は自分の注意深さを知ることができるので、双方にとって利益があります。成績をつけるかどうかに関係なく、成績の良い人にとって総合的なチェックは励みにも報酬にもなりえます。
多様なプラットフォーム
このパンデミック下、Zoomには多くの利点があります。つながり、学習、そしてわずかながらも現実感覚を継続できることです。一方、1日に7時間以上もコンピュータの前に縛り付けられることは、つまらないばかりか健康にもよくありません。
もしプラットフォームを変えることによって、頭を切り替えて脳を刺激することができるなら、生徒は教材を持ち出そうとするでしょう。その最善の方法は、教師が様々な教育用ソフトウェアを使って、生徒の集中を引きつけることです。それは歴史の授業のためのビデオ教材で、生徒が自分のペースで学習を進めることのできる学習ソフト、または双方向的なディスカッションボードなどの可能性があります。これらを使うことによって、教室の内外で生徒を学習に関与させることができます。何より良いところは、費用対効果が高く、個別化されていて、双方向的なところです。
インターネットを使ったコミュニケーション
次に、教師はこの年代の生徒と効果的にコミュニケーションをとる方法を知らなくてはなりません。幼稚園児と高校生では、会話能力に大きな差があります。幼稚園児は電子メールを送受信できませんが、一方、高校生は電子メールを頻繁にチェックしません。学習経験には開かれたコミュニケーションの手段が不可欠です。生徒がコミュニケーションに不自由を感じたら、質問を送ってきたり不安を表明したりすることはしません。質問は生徒が目の前にある課題を表明し、新しい知識へ導くきっかけになるという意味で重要です。ブレインストーミングを行ったり、質問をしたり、クラスで教材について議論したりできるブレイクアウトルームは、幼稚園から高校までのすべての年代に適しています。
遠隔学習のもう1つの問題は、授業に関係のない話題に関するコミュニケーションが欠けていることです。信頼できる学友や教師と過ごす時間は、精神的な健康を得るために必要です。学習環境がしょっちゅう変わることは、社会生活を失わせる可能性があります。
ある小学校の教師はこう言っています。
「社会的な関わり合いに差ができたせいで、小学生が友達と仲良く話すことを身につけられなくなっています。」
Edutopiaのこのビデオは、もっと社会的なレベルで日々繋がっていることの重要性を説明しています。世界中の教師がハイブリッド学習が生徒に与える悪影響を認識し、授業をオンラインで行なっている間も、生徒間の非公式なコミュニケーションを保ち続けるべきです。
常に生徒にフィードバックを
ハイブリッド学習で最も大事なことは、生徒に常にフィードバックを与えることです。オンラインで学んでいると、対面ならあるはずの建設的な批評を得られないことがよくあります。しかし、これはフィードバックをまったく得られないということではありません。教師は評価のためのプラットフォームを使ったり、電子メールや授業課程の告知を使ってフィードバックを与えることができます。
生徒の学習の様子を注意深く観察して、計算ミスや綴りの間違いを指摘してあげましょう。教師が意識してフィードバックを与えることが大事で、そうすれば教室にいない生徒も成長の機会を得て、自己満足に陥ることがありません。
注意の分散を防ぐ
生徒それぞれに求めるものは違います。Zoomで学んでいる生徒は、学習の能力と自宅の環境が完全に異なっています。ここに切り込むには、生徒自身とその保護者のことを詳しく知らなくてはなりません。ある教師は、ハイブリット学習を実施している時のことをこう説明しました。
「生徒たちが、100万もの異なる方向に引っ張られているように感じます。」
どうすれば生徒を引きつけておけるか、それを学んでください。もしチャットボックスが悪影響だと判断したら、使用不可にしてください。Zoomビデオの背景が物議をかもすものなら、やはり使用不可にしてください。気が散るものをできるだけ排除しましょう。生徒たちが授業に集中し続け、学習を続ければ、すべての人の望みが叶います。それこそが、教師がヒーローたり得る理由なのです。
Vosaicについて
クラウドベースのビデオプラットフォーム、Vosaicは、教師、教職課程学生、教育専門家が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察やコーチング、メンターを行うことができます。教師やコーチは、評価、フィードバック、自己反省などのためにビデオをアップロード、録画、共有することができます。Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。ぜひ、お問い合わせください。
橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
共訳書:スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
連 載:スポーツパフォーマンス分析への招待(月刊トレーニング・ジャーナル/有限会社ブックハウス・エイチディ)