〜 授業の「健康診断」で向上への明確な道筋を〜
一人ひとりが主体的に取り組む授業を目指して
89年の歴史を持ち、昨年校名変更で新しいスタートを切った品川翔英小学校様(品川区西大井)では、目指す授業のあり方として「児童一人ひとりが主体的に取り組み学力の向上を目指す授業」を掲げ、研修部の鈴木桂先生と齋藤航先生を中心に、授業内容の向上に対する取り組みを積極的に行なっておられます。
今回ご採用いただいた「授業診断with Vosaic 担当者育成プラン」は、年間500回以上、通算7000回以上の授業観察経験を持つ授業診断のエキスパート、RTF教育ラボがこれまで培ってきた授業診断と、教育用映像分析ソフトウェアVosaicによる映像フィードバックを基に、教師の授業力向上と学校内の診断者育成をサポートし、「診断と向上・改善」のサイクルを学校内に定着することを目指すものです。
6月15日(火)、このプランによる初めての研究授業の診断と研究協議会が学校内で実施されました。
診断票と映像、両面の診断で授業の状態を可視化
まず研究授業では、鈴木先生とRTF教育ラボのスタッフ2名、計3名がこの学校のためにカスタマイズした授業診断票を手に、授業内容の診断を行っていきます。この診断票は、授業準備から授業者の表情や声、発問内容や机間指導といった20の診断項目があり、各項目について2〜5段階で診断を行います。
一方、齋藤先生はアドバイザーの井田肇先生とペアを組み、Vosaicのモバイルアプリケーションを起動したiPadを手に、教室内を動きながら撮影と診断項目の入力を行っていきます。画面には診断項目が「ボタン」として表示されています。そのボタンをタップすると、診断項目がビデオの時間とリンクして記録される仕組みになっているのです。ここで使われる診断項目は、診断票を大項目の4項目にまとめた「主体的取り組み」「授業者の個性」「表情」「学力向上」です。「一人ひとりが主体的に取り組む授業を目指して」という、学校が掲げる目標を反映したものとなっています。
この診断項目以外に、井田先生が何か気になることがあったときに記録できるよう、「井田先生’s Eye」というボタンも用意しました。RTF教育ラボのスタッフ1名も、Vosaicの操作を担当しています。
初めてVosaicに触れた齋藤先生も、すぐに操作に慣れてくださいました。
授業中と終了後には、診断者の間で評価の擦り合わせと総合的な診断結果の取りまとめ、またVosaicを操作したメンバーの間では、どのシーンの映像を協議会で見せるかについて、即座に打ち合わせを行いました。
診断者・授業者の間に共通認識を築く
引き続き行われた研究協議会では、授業を行った先生、診断者を務めた鈴木先生による振り返りの後、Vosaicによって診断項目のタグのついた箇所を再生しながら、齋藤先生や井田先生、RTF教育ラボのスタッフがコメントをしていきました。診断票や記憶からのコメントだけではなく、実際にそのシーンを映像で確認しながら進めることで、授業者と診断者が共通認識を持ちながら振り返りを進めていきました。
品川翔英小学校様と「授業力向上 授業診断プロジェクト」では、こうした授業診断を今年度3回行い、授業力向上のためのサポートを行なっていくとともに、先生がたご自身にもVosaicをご使用いただき、映像による授業診断とフィードバックの浸透を少しずつ進めていただきます。
「授業力向上 授業診断プロジェクト」、また「授業診断with Vosaic 担当者育成プラン」については、橘図書教材、またはRTF教育ラボまでお問い合わせください。
授業診断票出典:
RTF教育ラボ(2020),教師が変わる・児童生徒も変わる 授業づくりの診断書,ハガツサブックス
(橘 肇/Vosaic総代理店・橘図書教材)