技術革新によって、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のような没入型ツールが普及しつつあります。「完璧な」デジタル教室を実現できるバーチャルリアリティは、多くの意欲的な教育関係者の関心を集めています。
当初、VR/ARは教育業界ではなくゲームの世界で導入されましたが、想定された以上の機能を提供しています。バーチャルリアリティ(VR)のコンピュータ技術は、リアルな3Dの世界の体験を提供します。AR(拡張現実)も同じ技術領域ですが、レンダリングされたグラフィックが現実世界のユーザーの前に現れて、疑似体験をするものです。高等教育において、VR/ARはどのような役割を果たすのでしょうか?研究者たちがこの問いに取り組んだ結果、VR/ARが学生の学習成果を向上させる力があることがすぐに判明しました。没入型リアリティは、体験型学習と教育・研究を組み合わせることで、学習者にとって魅力的な環境を形成します。
あなたはバーチャルな世界で教えることができますか?
没入型テクノロジーの活用は無限大です。教室でも、スタジオでも、医療ラボでも、VR/ARはあらゆる教育機関に新しい機会を提供します。スタンフォード大学、ワシントン大学、コロラド州立大学などは、キャンパスでVR/ARを推奨している学校のほんの一例です。こうした大学の努力によって、高等教育における新しい学習や研究の方法が刺激されています。机の前に座ったまま、没入型リアリティを通じて学生を遠足に行かせることができるのです。医学部の実習生は、実際のメスに手を触れることなく、完全な手術を行うことができます。VR/ARは、あたかも現実世界とインタラクトしているかのように、学生の意思決定や行動に反応する学習環境を作り出します。
コロラド州立大学では、この有益な技術をVR Clapp Labでテストしています。ある研究では、学生が人間の死体をバーチャルで解剖することに挑戦しました。教師はすぐ、VR/ARが授業のための強力な直感的ツールであることを指摘しました。実際、VR解剖学の授業を体験した学生の87%が、一般的な2次元の体験よりも完全に学ぶことができたと回答しています。このユニークな体験が、学習を楽しく、インパクトのあるものにするのです。
高等教育に没入型テクノロジーを取り入れることへの関心が高まっています。COVID-19の大流行が示すように、VR/ARのような新しいテクノロジーは、研究協力、ハイブリッド学習モデル、遠距離通信などの不可欠なソリューションを提供します。さらに、教師はインテリジェントで複雑なシミュレーションを通じて、より安全でコスト効率の高いトレーニングシナリオを生成することができます。例えば、スペインのカトリカ大学サンアントニオ・デ・ムルシア校では、パンデミック発生時に授業をオンライン化し、安全かつ教育的な環境を整えることを優先しました。同校では、学生がCOVID-19ウイルスに関するVRレッスンを探検できるウェブサイトのハブを作成し、遠隔教育に取り組みました。教授と学生が協力し、VR環境でウイルスの実物大模型を検証しました。オンライン学習がどこで行われようとも、VR/ARはどんな教室の状況にも適応できるのです。
没入型現実の教育における6つの利点
- コストと距離の壁を軽減する
- 教育的、技術的なトレーニングの機会を提供する
- 学習障害のある生徒の効果的な教材になることが証明されている
- 低リスクの体験型学習を実現する
- 理想的な教科授業にカスタマイズできる
- 学習効果を高めるために、学生を効果的に関与させる
VR/ARは、間違いなく、高等教育やそれ以外の分野でも明るい未来をもたらします。技術の進歩に伴い、その固有の特性は進化し続けています。教育者は、VS/ARを使うことで、現実のシナリオの中で学生がどのようなパフォーマンスをするのか、高いリスクを負わずに検証することができます。個別の学習ソリューションと組み合わせることによって、VR/ARはあらゆる学生のニーズに対応できます。VRの持つ無限の可能性は、特別な価値があるのです。
VR/ARビデオ録画とVosaicのペアリング
録画したVR/AR映像をVosaicで活用することで、学習内容をさらに変化させることができます。カメラの撮影を止めた後、その瞬間に何が行われたかを忘れてしまうことがあります。シンプルな操作のビデオプラットフォームであるVosaicによって、見逃した詳細を簡単に発見することができます。
VR/ARとVosaicを組み合わせることで、教師はビデオの中の重要な指導場面に印をつけることができます。この機能により、教師と生徒が互いに直接コラボレーションを行うことができます。教師は、Vosaicのビジュアルタイムラインに重要な場面のクリップをハイライトし、それをいつでも簡単に学生に示すことができます。さらにこれらのクリップに注釈のコメントを付けて、生徒に的確なフィードバックを与えることができます。長時間のビデオであっても、重要な箇所だけに集中できます。そして曖昧な記憶に頼ることなく、生徒のVR/ARパフォーマンスを反映させることができるのです。
この記事はVosaic.com内の記事「Video-Based Feedback for VR」を翻訳したものです(画像とも)。
Vosaicのツールは、実生活でもVR/ARの世界でも、学生のより高い学習成果を支援します。Vosaicの安全なクラウドベースのビデオプラットフォームは、教師、現職教師、管理者が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察、指導、自己省察を行うことができます。
Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。また、授業力向上のための授業診断プログラムもご提供しております。ぜひお問い合わせください。
橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
共訳書:スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
連 載:スポーツパフォーマンス分析への招待(月刊トレーニング・ジャーナル/有限会社ブックハウス・エイチディ)