11月7日、昨年に引き続き、東洋大学総合情報学部様で特別講師を務めました。3年生を対象とした「総合情報学演習IV」の1コマで、テーマは「スポーツパフォーマンス分析 – 基礎的知識とその方法」です。

昨年は最初から最後までずっと喋りっぱなしだったことを反省し、今年は演習を軸にした構成を考えました。演習は2本立てで、記述的ゲームパフォーマンス分析の基本である「手作業」の分析、そしてVosaicを使った、コンピュータによる分析システムでの分析です。

手作業の記述的ゲームパフォーマンス分析の方法として、①度数表、②時系列記録フォーム、③散布図の3つがありますが、授業では度数表の作成を行いました。度数表は単にチェックマークで記録していくだけのものですが、それだけに「効率よく記録するには=チェックマークの数を少なくするには」どうすればいいか、考えてもらうことを狙いとしました。

©️橘図書教材

次にVosaicを使っての分析です。この日の受講者は30人余りでした。受講者のID(メールアドレス)があらかじめ把握できないこうした単発授業の際は、あらかじめ十分な数のIDを作成しておいて(Gmailのエイリアス機能を使います)、当日、そのIDを学生1人1人に割り振り、共通で設定したパスワードでログインしてもらいます。

用意していたビデオと、分析のためのボタンフォームを共有して、一斉にマークアップ(入力)に取り掛かってもらいました。

記述的ゲームパフォーマンス分析の知識や方法に加えて、この日の授業で伝えたかったこと、それが「複数の人でイメージを共有することの難しさ」「PCを使うから、数字で出しているから正確とは限らないこと」でした。例えばこうした他人数での演習の際、同じビデオを見て、同じ説明を聞いて分析を行ったら全員が同じ結果を出すかというと、そうならないところに面白さや難しさがあります(多人数でのゲームパフォーマンス分析演習に便利な、Vosaicのタイムラインの比較機能についてはこちらをご覧ください)。

授業後、受講していた学生さんの1人から「とても面白かったです」という言葉をいただきました。今回はあえてアナリストやトップレベルの競技スポーツの話にほとんど触れませんでしたが、それ抜きでスポーツパフォーマンス分析の面白さが伝わっていたなら、何より嬉しいことです。

(橘 肇/橘図書教材)

[ Provided by Vosaic ]