タイラー・ホットヴィー氏は、ネブラスカ州オマハにあるウェストブルック小学校の校長です。学校でのVosaicの利用状況についてタイラーに質問したところ、素晴らしい洞察を提供してくれました。それを皆さんにもお知らせしましょう!

校長であるタイラー氏が、学校でのビデオ活用を重視する最大の理由として挙げたのは「時間」です。ウェストブルック小学校で自己省察と観察のためにビデオを導入する前、タイラー氏は40分間の授業観察をコーディングするのに約4時間を費やし、授業後の省察に備えた準備をしていました。今ではVosaicを使って、授業を観察しながらコーディングを行い、マークした特定の瞬間をすぐ振り返ることができます。かつて4時間かかっていたことが、たった1時間で済むのです。

タイラー氏はまた、このプロセスの違いがもたらす重要な結果を指摘しました。授業を観察して文字で書き留める従来の方法では、教師は校長の存在を「何をすべきか」を教えてくれる専門家と認識します。すると、指導のしかたと生徒の学習力は向上しますが、教師自身が何かを学ぶということがありません。

「Vosaicを使ってデータを一緒に見ると、教師自身の考えを私がうまく仲介して、自力で指導を改善するように支援できるのです。」

タイラー氏は教師たちと議論する際、Vosaicを「第三者のデータ」として提示しています。「タイラー氏の観察」を教師がどう解釈するかという位置付けだと、省察のための会話は一方的なものになってしまいます。そうではなく、タイラー氏と教師たちは対等な立場でデータを見ています。教師たちはダニエルソンの教育用フレームワークのようなリソースを使用しています。Vosaicによって、ウェストブルック小学校における教師の観察と省察のプロセスを、より客観的なものになりました。

Vosaicの柔軟性のおかげで、観察方法を個々の教師に合わせてより具体的に調整することもできます。タイラー氏はダニエルソンのフレームワークに基づいたフォームを使うことも、教師のニーズにより合致するようにフォームとボタンをカスタマイズすることもできます。

「例えば学区の幼稚園の先生の1人は、自分が小さなグループと一緒に作業しているとき、クラスの残りの子供たちがどうしているかを知りたがっていました。私は観察中、定期的に教室内の様子を見て、ボタンでマークを付けました。そうすれば、後でビデオ全体ではなく、その気になる部分だけを見返すことができたのです。」

後編に続く)

この記事はvosaic.comの記事「Helping Teachers Improve Instruction Through Their Own Agency」を翻訳したものです。


Vosaicについて

Vosaicはアメリカ・ネブラスカ州リンカーンに本社を置くFACTSが展開する、教師教育、医療教育、指導者育成、専門能力開発のためのビデオプラットフォームです。数多くの教育機関、学区、医療機関、ビジネスコーチング会社等に採用され、模擬授業やシミュレーショントレーニングなどのフィードバック、省察など、専門能力の開発のために用いられています。

橘図書教材について

日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
共訳書スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
連 載スポーツパフォーマンス分析への招待(月刊トレーニング・ジャーナル/有限会社ブックハウス・エイチディ)

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