この記事はVosaic.comの記事「Improving Teacher Performance Through Instructional Coaching」を翻訳したものです。(画像とも)。


日々の仕事に熱心な教師ほど、自身の指導力向上に取り組む時間を見つけにくいものです。そんなときの方法の1つが、「ティーチャー・コーチ」*から継続的なコーチングを受けることです。

*Vosaicの開発・発売元の教育コンサルティング会社「Nelnet」が提供する、教師の指導実践力向上をサポートする専門的な訓練を受けた指導者

ティーチャー・コーチとは?

ティーチャー・コーチは教師と連携しながら、教師が常に新鮮な気持ちで最新のテクニックやテクノロジーを授業で活用し、生徒の成果を向上できるようにサポートします。教師の指導育成計画を監督し、新しい教授法やツールの効果的な使い方を示し、教師の目標達成を支援します。また、データ分析やアクションプランの管理にも継続的な責任を担います。

テーチャー・コーチの価値

教師の専門能力を高めるコーチングには、主に2つの目的があります。

  • エビデンスに基づく方法を活用し、教師の指導実践力を改善すること。
  • 新しい教育実践を通して、生徒の学業、行動の双方において成果を上げること。

ティーチャー・コーチは、これらの目標を達成するための責任を負い、教師が必要なサポートを受け、専門能力開発を向上できるようにします。

多くの場合、コーチ自身も在職中の教師であり、その立場から現役教師にサポートを提供できるユニークな立場にあります。同じ教師なので、教師を理解し、共感することができるのです。

コーチは、教師の指導実践力の向上につながる有意義な会話を促します。こうした会話は効果的なコミュニケーションを生み出し、自己反省を促します。教師が質問をし、相手の言うことに耳を傾け、そしてコーチとのつながるためを生みます。

教師は常に緊急の仕事に追われ、新しい実践に取り組む時間がなかなか取れないこともあります。そうした教師に対して、コーチは教材を整理し、実践方法を説明し、モデル化し、サポートする「第二の手」となります。

コーチが継続的な責任を負うことで、新しい教育実践と教師の専門能力開発にプラスの影響を与えます。トレーニングによって強化された継続的なコーチングは、教師の新しい実践の達成率を80%から90%へと導きます。

効果的なコーチングの実践

教師の指導実践を改善し、生徒にも良い結果をもたらすには、効果的なコーチングが必要です。効果的なコーチングの実践には、観察、モデリング、そしてパフォーマンスのフィードバックの継続的なサイクルが含まれます。

コーチは観察から始めることで、教師がエビデンスに基づいた実践を行っているかどうか、そのデータを収集できます。エビデンスに基づく実践は、教師が効果的な指導を行うための日々の学びに影響を与えます。

また、コーチは新しい指導法の使い方をモデル化することができます。教師が新しい指導方法を学ぶ必要があるとき、コーチはモデリングを行うのです。モデリングは研修の中や、生徒がいない場でも行うことができます。教室でモデリングを行うことで、教師はその指導方法の正しい使い方や、それが学習者のパフォーマンスに与える影響について、よりよく理解できます。

最後のパフォーマンス・フィードバックは、コーチが教師の実践に関するデータを提示するものです。このフィードバックは、幼児教育から高校まで、教師の指導実践力と生徒の教育成果を向上させるのに極めて効果的です。

教師へのフィードバック

フィードバックの授受は、教師の指導実践力と、幼稚園児から高校生までの学習成果を効果的に向上させます。効果的なフィードバックに必要な条件は次の通りです。

具体的:生徒のためになる教育実践についての正確な情報が含まれていること。

肯定的:教師の具体的な実践を褒める明確な文言が含まれていること。

矯正的:指導方法の変更が必要であることを示唆する発言や質問が含まれていること。

適時:教師のパフォーマンスを速やかに修正できるものであること。

ティーチャー・コーチからのフィードバックは、対面でも、テクノロジーを使って提示することもできます。例えばビデオベースのテクノロジーを使って、文字または音声によるフィードバックを提示する方法があります。

コーチングツールとしての映像活用

Vosaicのようなオンラインプラットフォームを使用すれば、教師は授業の流れに沿ったフィードバックを受けることができます。

2021年に、私たちはVosaicとFACTS Edを活用した教師へのコーチングを紹介する記事を掲載しました。また、国内代理店の橘図書教材も独自の指導力向上プログラム「授業力向上 授業診断コンサルティングサービス」を展開しています。

ここではさらに、ティーチャー・コーチがVosaicを使って教師の指導実践を改善する方法を紹介します。

自己省察とコーチングのためのビデオ分析プラットフォーム、Vosaicでは、教師は自分のデバイスを使って、どこからでもビデオを録画したりアップロードしたりできます。コーチはそのビデオを見て、重要な瞬間を「モーメント」(タグ)としてタイムライン上にマークし、さらにそこにコメントを残すことができます。それを見た教師との間で、双方向のコミュニケーションを行うことができます。

授業観察の際のコーチングセッションだけでは、重要な瞬間を見逃してしまう可能性が高くなります。Vosaicを使ってビデオの中の重要で具体的な瞬間をマークすることで、より詳細で効果的なフィードバックが可能になります。

Vosaicをコーチングツールとして活用することで、指導担当者やコーチは教師の指導実践力と生徒の教育・行動両面での成果を向上させることができるのです。


Vosaicについて

Vosaicの安全なクラウドベースのビデオプラットフォームは、教師、現職教師、管理者が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察、指導、自己省察を行うことができます。
Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。また、授業力向上のための授業診断プログラムもご提供しております。ぜひお問い合わせください。

橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
分担翻訳スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
著  書:スポーツパフォーマンス分析への招待(有限会社ブックハウス・エイチディ)

[ Provided by Vosaic ]