この記事はVosaic.comの記事「Teacher Development through Goal-Setting and Performance Discovery」を翻訳したものです。(画像とも)。
教員養成課程の学生の模擬授業や教育実習、また現職の若手教師の授業研究や授業評価に、目標設定理論に基づき「パフォーマンス分析」をどう活用するか、シリーズの2回目です。
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ロック博士とレイサム博士の研究を補強する多くの研究が、現在も発表されています。2022年9月、「A Systematic Review of Goal Setting and Performance Feedback to Improve Teacher Practice」という研究が発表されました。この文献には、大学教員、教員養成課程の学生、校長、学校経営者、そして教師にとって貴重な研究内容が詰まっています。
この研究によれば、パフォーマンス分析によるフィードバックは、教師の目標と目標設定へのコミットメントを集約するために不可欠とされています。模擬授業や研究授業の評価には、ビデオによるパフォーマンス分析が有効です。ここではパフォーマンス・フィードバックと目標設定のうち、目標達成に最も大きな影響を与えうるものをリストアップします。
教師の目標設定に最も重要な4つの指標
1. データの視覚的な提示
他者の圧力や提案だけでは、省察を強制することはできません。印象だけに頼った説明ではなく、物理的に観察できるものだけを提示することで、教師が自分の成長できる領域を主体的に発見する余地を残します。
ビデオを使って視覚的なデータを提示することで、教師自身が思っている授業と、実際の授業との不一致を減らすことができます。そうすることで、教師の内にある改善意欲が高まり、自己省察が促されます。使用するビデオ分析プラットフォームによっては、教師の発言時間や授業中の発言記録などの指標を視覚的に確認することも可能です。
2. 教師自身が作成する目標
教員志望者や現職教員をコーチングと視覚的データで導き、目標に関する決断を促し、さらにその目標を自分自身で作成できるようにします。自分の目標に対する当事者意識は、達成へのモチベーションにつながります。
3. 進捗状況の評価
目標設定の理論で説明したように、設定した目標が具体性であれば、進捗状況の評価も容易になります。目標が具体的であれば、達成できたかどうかを判断するのは簡単です。まだ目標までの途上にあるとき、進捗状況をどう評価すればよいのでしょうか。
最も良い方法は、ビデオ分析ソフトウェアを使って、いくつかのビデオを時間を追って比較し、改善が必要な行動を見つけることです。ツール内のタイムラインを見れば、進捗状況を視覚的に確認できます。
4. フィードバックの際の目標に関するディスカッション
コーチや教授と「話し合う」ことは、特に言語処理能力を継続的に向上する最良の方法の1つです。しかし、対面でコーチングセッションを受けるスケジュールが組めない場合、授業のビデオに文書でコメントしただけでは不十分です。代わりに、Vosaicのプラットフォームで提供されているような、デジタルプラットフォーム上で相互に意見交換できるビデオコメントがよいでしょう。個人に特化した指導が可能ですから、より励みになります。
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Vosaicについて
Vosaicの安全なクラウドベースのビデオプラットフォームは、教師、現職教師、管理者が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察、指導、自己省察を行うことができます。
Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。また、授業力向上のための授業診断プログラムもご提供しております。ぜひお問い合わせください。
橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
分担翻訳:スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
著 書:スポーツパフォーマンス分析への招待(有限会社ブックハウス・エイチディ)