この記事はVosaic.comの記事「Promote Teacher Retention with Video-Based Coaching」を翻訳したものです。(画像とも)。記載の内容はアメリカの教育環境を前提としており、日本国内の事情とは異なる部分があることをご了承ください。


激変する教育環境の中で、教師の採用と維持は大きな課題に直面しています。ある調査によると、教師の3分の1近くが、次年度が始まるまでの退職を検討しています。地域の教育委員会にとって、校長、教師、学生の間の関係を強化するための革新的な方策は喫緊の課題です。

教師の定着率を促進し、満足度を高めるためのアプローチとして最近注目されている方法の1つは、ビデオを活用したコーチングです。授業のビデオを収録し、観察とフィードバックによって、教師の専門能力についてエビデンスに基づいた議論を行うのです。教師が授業中の自分の行動をビデオで確認することで、リアルタイムでは見逃していた洞察が明らかになります。

コーチングのツールとしてビデオを使うことで、記憶の曖昧さや偏見を取り除き、それぞれの教師に個別のフィードバックを提供し、科目ごとの固有のニーズに対応した指導スキルを開発することができます。

Insititute of Education Sciences(教育科学研究所)による研究では、ビデオに基づいて教師に個別のコーチングを提供する戦略が検討されました。ビデオを使用した5つのコーチングサイクルを受けた教師は、新規採用者や実践経験の浅い教師を含んでいたにも関わらず、生徒の成績を向上させたのです。

教育でのビデオ活用は新しいものではありませんが、ビデオベースのコーチングは、教師の専門能力開発に必要な「即時サポート」を提供します。指導担当教員や校長はより良い教育実践に関する深い議論を行うことができ、教師の学習コミュニティにおける価値と帰属意識が高まります。

なぜ教師は退職を考えるのでしょう?

マッキンゼーは、教師がなぜ離職を考えるのか、何によってそれを翻意させることができるのか、研究を行いました。パンデミック後の時代に教師が感じたことを明らかにするために、2021-22年に1,800人以上の米国の教師、学校指導者、学校のメンタルヘルスの専門家を調査しました。

その結果、教師が離職を考える主な要因が特定されました。

  1. 報酬:驚くべきことに75%の教師が、報酬よりも多くの時間を仕事に費やしていると回答しました。調査対象者の約69%が、基本給やボーナスを含む総報酬は、資格や努力を反映していないと感じています。さらに、65%が教職からの収入だけでは快適に生活できないと報告したのです
  1. 不合理な期待:教師は、自分の役割が過小評価されていると感じています。回答者の約75%が、やるべき仕事が多すぎること、そして十分な数の教師がいないことを報告しています。
  1. 教師自身の犠牲:仕事にあまりにも多くの時間とエネルギーを費やし、その他の意味のあるものを犠牲にしていると報告しました。新しい教師が入らないことで、責任がどんどん既存のスタッフに割り振られ、作業負荷をさらに増しています。教師の人員が不足している地区では、ストレス要因がさらに高くなっています。

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Vosaicの安全なクラウドベースのビデオプラットフォームは、教師、現職教師、管理者が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察、指導、自己省察を行うことができます。
Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。また、授業力向上のための授業診断プログラムもご提供しております。ぜひお問い合わせください。

橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
分担翻訳スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
著  書:スポーツパフォーマンス分析への招待(有限会社ブックハウス・エイチディ)

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