この記事はVosaic.comの記事「Teacher Development through Goal-Setting and Performance Discovery」を翻訳したものです。(画像とも)。


このブログでは生徒の行動改善、SEL教育(社会性と情動の学習)へのアプローチ、授業中の生徒の発言の促進(教師の発言の抑制)、特別支援教育へのサポートなどにパフォーマンス分析とフィードバックを活用できる可能性について、研究結果を基に述べてきました。

しかし、そうした情報も実践があって初めて意味を持ちます。実践のためには目標設定が重要なことは当然ですが、どうすればそれを実行できるでしょうか?目標設定が高い業績をもたらすという「目標設定理論」は有名ですが、どう実行に移せばいいのでしょうか?3回に分けてお届けします。

(Vosaicを使った授業映像のビデオ分析のデモンストレーションです)

「目標設定理論」とは?

目標設定理論とは、エドウィン・ロック博士とゲイリー・レイサム博士が研究し、1990年に「A Theory of Goal Setting and Task Performance」として発表したものです。目標達成の成功率を高めるための、次に示す目標設定の原則を指しています。

明確な目標

具体的な目標を設定することで、達成へのモチベーションが高まり、また達成のタイミングを正確に知ることができるので、パフォーマンスへの意欲が高まります。
不明確な目標の例:自分の管理能力と調整能力を向上させたい。
明確な目標の例:グループワークの中で15秒間の待機時間を設け、学生にフィードバックを与えることによって、自分の管理能力と調整能力を向上させたい。

困難であるが複雑すぎない目標

目標を聞いた人が恐怖心を持ったり無関心にならない程度に、興味の持てる挑戦的な目標を設定しましょう。
困難な目標の例:私はELL研究を基本にした戦略を学び、その中の原則を1週間に1つずつ段階的に取り入れることによって、学習環境を改善していきます。
困難でない目標の例:私は明日までにELL研究を基本にした戦略を学び、指導と学習環境に取り入れます。

フィードバック

外部からのものであれ、自己省察によるものであれ、フィードバックによって、自分が目標に向かって正しく進んでいるのかどうかを考えることができます。しかし、フィードバックが不正確な場合もあります。ヒューマンエラーは避けられませんし、また事実に基づいた具体的なフィードバックが困難な場合もあります。ときにはあるタスクの実行について、自分の記憶と実際の行動が一致していないこともあるでしょう。

コミットメント

設定した目標が上記の条件をすべて満たしていれば、目標達成への意欲が最も高くなります。さらに目標を教師が自ら設定すれば、その意欲を維持できる可能性はより高くなります。

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Vosaicについて

Vosaicの安全なクラウドベースのビデオプラットフォームは、教師、現職教師、管理者が理論と実践のギャップを埋めるために使用されています。簡単な操作でビデオの録画、コメント、共有ができるため、ユーザーはより効果的に観察、指導、自己省察を行うことができます。
Vosaic日本国内総代理店の橘図書教材では、Vosaicの販売、および導入後のサポートを行なっております。また、授業力向上のための授業診断プログラムもご提供しております。ぜひお問い合わせください。

橘図書教材について
日本のスポーツ界へのパフォーマンス分析システムの普及に20年間努めてきた代表者が、2019年に設立しました。スポーツを超えた幅広い分野の教育にもビデオコーチングを普及して貢献すべく、Vosaicの日本国内総代理店として販売とサポートを展開しています。
分担翻訳スポーツパフォーマンス分析入門(株式会社大修館書店)
著  書:スポーツパフォーマンス分析への招待(有限会社ブックハウス・エイチディ)

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